【13】マテリアルと投影法 その1 2021.08更新

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2022年 3月 2日補足


回転魔界の次に現れたのは、またもやルール不明のマテリアルと投影法でした。ガイドブック無しのダンジョン探索は難航するばかりです。

お急ぎの方は 【15】マテリアルと投影法 完結、の最後の方にある【木材を作る】と【まとめ】をご覧ください。

とにかく試行錯誤を繰り返せば、なんとなくマテリアルはルールが見えてきますが、イメージどおりにいかないのが投影法でした。
 しかしどこの世界でもそうですが、道具を自由に使いこなしたいのであれば、並大抵の修行では事足りないのでしょう。ここは精進することとします。

 それではまずマテリアル。
 3Dオブジェクトを作って何もしなければ、灰色の物体のままです。それに色を塗ったり、表面の質感を与えていくのがマテリアルです。

 その前にマテリアルを貼り付ける "物" が無いと話になりませんのでそれを作りました。モデルとなったのはチームの倉庫に眠っていたこのキャラです。


版権無しのキャラクター で、ボスの許可を得たものですので安心です。

 AE(After effects)で 3Dをやっていたころと違って、形を作る工程もだいぶ理解できるようになりました。まずはキャラのイメージを形別に分解すればいいのです。
 よく見ると腕以外はほぼ球体で構成されています。腕はスプラインで円弧の線を引き、円形スプラインでジェネレーターの【スイープ】を使えばホースのような物体ができます。手も大きさの違う扁平球体を二つ組み合わせれば何とかなりそうです。


 球体を作って、S.Yを小さくして上から押しつぶしたような球体にしたものに、小さな球体を少し突っ込んで重なった部分だけが見えるようにジェネレーターの【ブール】を掛けてボディとしました。



 小さい球体を二個突っ込んで目玉とします。


さてここで疑問を感じられたと思います。単純にオブジェクトを ステージ に出すと、灰色の物体でしかありません。
 なぜこの写真では白色と目の中がオレンジに色になっているのでしょうか。

 それがマテリアル。立体物の質感や色味を与える処理です。

 手始めに、色を塗ってみましよう。

 マテリアルマネージャを開いてその中の何もない場所を Wクリックするとデフォルトの新規マテリアルができます。続いてその新規マテリアルを Wクリックするとマテリアルエディタが開きます。


AEやAi(イラストレータ)、PS(フォトショップ)を使ったことのある方なら、さっと頭をよぎるのが【塗り色】【線色】あるいは【描画色】【背景色】ではないでしょうか。
マテリアルエディタにもそれらしいものがあります。【カラー】チャンネルです。そこにチェックを入れて、カラーバーを適当に触ればマテリアルが好きな色になります。

 色が決まったらマテリアルをドラッグして、目的のオブジェクトの上で離すとそのマテリアルが貼られます。OM(オブジェクトマネージャ)のマテリアルタグの欄に小さなマテリアルの絵が出ますので、今後はこの小さな絵を Wクリックすればマテリアルエディタのこのマテリアルが開くようになります。もちろんマテリアルマネージャからドラッグしたものを OMにならんだ目的のオブジェクトにドロップしても同じです。


 白眼の部分は白色だけですが、ボディはどうするのか。これもそれほど難しくありません。ボディを構成するオブジェクトは大きな球体と小さな二個の球体ですので、それぞれに色の異なるマテリアルを作って貼るだけです。

 目玉を作ったところで壁に当たりました。もう壁です。新米ペーペーは知識が浅いために 3D作業は何をやっても難問続きです。

 目玉を白で塗ったら、黒眼はどうなるのか、【カラー】チャンネルは一つだけ。別に黒のマテリアルを作って白眼に適用すれば黒一色になって白い部分は消えます。二つを混在させるにはどうすればいいのか。
 ここはあれでしょう。描画ソフトで描いた絵を貼り付けるテクスチャという方法です。よく耳にはしますが、やるのは初めてです。

 まずはふつうに Aiで600×600pxのアートボードを作り、目の球を描いて『png』データに変換しました。



 これを【カラー】チャンネルのテクスチャとして読み込み、それを白眼のオブジェクトに張り付けます。
 【カラー】チャンネルにある【テクスチャ】の右側、『下向き山括弧』から『画像を読み込む』で取り込みます。

 すると……。


なぜか強く横に引き伸ばされています。

 これを正立方体に適用すると。


キレイに 6面全部に貼られます。どうも球体に貼ると、かなり横に引っ張られるようです。そこで横に引っ張られることを考慮して元絵のサイズを縦長にしました。


比率は、縦2:横1です。これで白目に貼ったっところ。


ちょうどでした。
 目の位置合わせは、属性マネージャの【タグ】の欄にある『オフセット U』『オフセット V』で調整しました。

【2022.03補足】

下の写真はマテリアルを貼る方法を指定するマテリアルタグの属性一覧です。


眼球のマテリアル属性

ピンクの矢印が示すアイコンが眼球に貼るマテリアルをアイコン化したもので、マテリアルタグと呼ばれます。これから山ほど出てきますので覚えておいてください。クリックすると属性マネージャがマテリアルタグに替わります。

 ピンク枠が重要な場所で、まず投影法は、マテリアルの投影方法を設定します。これについては後述していますが、簡単に書くと投影法は物体にマテリアルを貼るイメージです。たくさんの投影法が準備されていますので制作したオブジェクトに最適なものを選びます。今回はマテリアルを貼るオブジェクトが球体ですので投影法は『UVWマップ』でなくて、『球体』でも同じ結果になっています。

 オフセットという項目は、貼る位置を微調整できます。黒目の位置を動かして横を見たり上を見たりさせることができます。もちろんキーフレームも打てますのでアニメーションが可能になります。




 さらに難問は続きます。眼球ごときでビビっている場合ではありません。



 次は顔の黒いベタ塗りとボディのオレンジの帯です。ここも『png』の絵で作ったテクスチャに挑戦です。上手くいけば簡単に済みます。

 横に引き延ばされることを考慮したテクスチャ用のpngデータがこれ。


C4d_Lでは立体物合わせて絵を歪めるための機能(UV展開とか呼ぶらしいです)がありませんので、AiやPsを使って、手作業で行うしか方法が思いつきませんでした。かなりの苦労が強いられます。


 これをボディのテクスチャとして適用させました……。


う~~ん。
 オレンジ帯とロゴが微妙に歪んでしまって、やっつけ仕事が浮き彫りになったような出来具合です。

 下から見上げると雑な出来具合がよく解ります。


こんな歪んだのをボスに見せたらどやされますので、ひとまず封印。誰にも見せないことにします。




 やはりまとめてエイヤー、と手を抜くとよくない結果になります。急がば回れとはよくいったものです。

 まず pngデータは目の周りの半円になった黒い部分だけにして、それをボディに貼り付けたマテリアルのカラーチャンネルのテクスチャに読み込みます。
 ちょうどいい位置と大きさ、歪みになるように、AiとC4d Lを何度も行き来しました。

 オレンジの帯は、プラスチックのカバー風のオブジェクトを作ってはめ込んだほうがリアルになると思い、ボディの球体のコピペを目的の形になるように別のオブジェクトで作った抜き型で切り取ります。切り取りの処理は【ブール】を使いますが、イメージは羊かんの型抜きを想像してください。



 オレンジのカバーにはクチとなる部分の穴も開けてありますし、下から後ろ側までを見ても歪みは無く、美しい曲線をしています。



 問題はこのカバーに貼り付ける『PE2』というロゴです。
 すでにカラーチャンネルはオレンジ色で使っていますので、カラーチャンネルにテクスチャは使えません。強行してみるとオレンジ色が消えて黒になりました。

 ここでチャンネルについて理解しただけの情報を記載します。
 未知のチャンネルはたくさんありますが、これまでに利用したことのあるチャンネルは下記の表のとおりです。

チャンネル内容
カラーマテリアルに任意の色を塗ることができます
発 光光りを放ちますが、その光を反射する物体が近くにないと、いまいち光っているようには見えません
透 過オブジェクトを透明にします。色も付けることができますが、これも透明になった向こうにそれを透き通らせて見える物体がないといまいちよく解りません
反 射オブジェクトの表面で反射する光をシミュレーションします。これも反射する光や物体が近くにないと何だよく解りません
バンプイメージ的にへこみと出っ張りを描きます。実際に3D化しているのではなくあくまでも見た目だけです。白が出っ張り、黒がヘコミとして扱われます
アルファオブジェクトに重ねられた別のアテリアルの塗り分けができます。pngデータの画像が利用できます。他のチャンネルに pngを使うと透明部分が黒になります
グローオブジェクトの周りから光彩が吹き出すようなイメージが作れます。C4d Lでのレンダリングはとても美しいのですが、AEに持ち込むと少し光彩の明暗となる段階が雑になります。淡い光は難しいです。

初めてこれらを触った時に最も感じたことは、
「ぜんぜん思ったとおりにならん!」でした。

 本気でソフトの バグを疑った ほどでした。
 慣れてきてやっとこの理由が判明しました。

 何度も書いていますが、レンダリングしないと正しく反映されません。これまでの描画ソフトではありえないことでつい忘れがちです。なので最低限インタラクティブレンダラーを使わないといけません。ライトや影、それからテクスチャを作成するときは必ずインタラクティブレンダラーを行うようにしてください。

 もっとも戸惑うのは、レンダリングしてもまだ効果が現れない場合です。
 その一つに【反射】チャンネルが挙げられます。なかでも鏡面反射。プロの作った映像を見るとキレイに景色が映り込んで、まるで磨きあげられたガラスのようなオブジェクトに仕上がっています。ほんとため息が出ますね。

 では、ってな感じで自分でやってみると
「真っ暗なままなんですけど……」
 ライトを当てようが何をしようが、
「な~んも映らん」

 挙句の果てには「もうやめ!」と何度さじを投げたことか。

【1】CINEMA 4D Liteを After Effects みたいに使いたい』 でも書きましたが、これが 直感的思考ですね。絵を描く感覚で物事を考えていたのです。

 鏡面反射は字のごとく『鏡』として扱われます。では鏡が鏡として認識されるのはどういうときでしょうか?
「何かが映っている……とき」
 鏡よ鏡よ、鏡さんって、言っているあなたが映っているでしょ。

 そんな何かがそこにありましたか?
「な~んも作ってない……」

 そうなんです。3Dアプリは現実世界の再現なのです。巷の描画ソフトと異なるのはここなのです。
 鏡面反射する物体を何も無い真っ暗な空間に置いて、【鏡面反射強度】を最大にして、【表面粗さ】を『0%』にしたら、どれだけライトを当てようが真っ暗なままです。
 試しに【表面粗さ】を挙げていくとライトの光りを反射し始めるはずです。

 まだ先になりますが、鏡面反射を利用して何かを映り込ませるのなら、【空】と【床】、そして適切な【ライト】オブジェクトとできれば映り込む何かが必要です。




 話をもどします。
 今問題になっているは、カラーチャンネルの色と、テクスチャ画像の『PE2』を重ねたいのですが、その方法が解らないのです。
 先ほどの表の中で使えそうなチャンネルといえば、アルファチャンネルです。

 テクスチャを適用するには、そのオブジェクトにドラッグアンドドロップするか、オブジェクトマネージャ(以降OM)のそのオブジェクトへ同じくドラッグアンドドロップして、マテリアルタグというのをセットします。いくつでも貼り付けられますが、マテリアルはオーバーレイされません。最後に貼り付けたタグのアテリアルが上書きされるだけです。透明部分を持った『png』データをテクスチャして貼り付けてあっても、透明にはなりませんで真っ黒になるだけです。AEではあり得ないことでした。


 ところがアルファチャンネルを利用すると透明処理ができるのです。結果を先に書きますと、アルファというよりもマスクという感じです。アルファチャンネルで白く塗りつぶした部分はカラーチャンネルの色が出て、黒く塗られた部分は透明になり、その前に貼り付けられていたタグのマテリアルが出ます。

 実際の写真をご覧ください。


球体と立方体に二つのマテリアルを適用しています。『①』と書かれた部分が、OMのタグの並びです。どちらも、赤色と半月黄色のタグが順に並んでいます。これが適用されているマテリアルの順番で、赤色が最初、黄色半月が次に貼り付けられているので、本来は黄色半月のマテリアルが適用された状態になるのですが、エディタビューのオブジェクトはどちらも半部赤くて半分が黄色になっています。

 これがアルファチャンネルの効果です。

 左下のマテリアルマネージャーを見ると赤色のマテリアルと半月のマテリアルがあります。

 赤色のマテリアルは『カラー』と名前を付けた単純な赤色のマテリアルですが、黄色の半月風のモノは『アルファ』と名前を付けたアルファチャンネルを利用したマテリアルです。
 マテリアルマネージャの上、番号『②』をご覧ください。アルファーにチェックが入っています。それとカラーにもチェックが入って黄色を指定しています。

 重要なのは、アルファチャンネルです。そのテクスチャをグラデーションにしています。
 設定は次の写真のとおり、テクスチャと書かれた文字の右にある下向き三角形を押すとテクスチャの選択メニューが出ます。その中のグラデーションを選択します。


グラデーションを利用するとマテリアルに色の塗り分けができます。それをアルファチャンネルに利用すると段階を経たアルファ効果が期待できます。今回は白黒はっきりさせて、アルファ効果を明確にしたいので、『③』のピンク枠、『補間』をステップにしています。


補間の項目を出すには、グラデーションと書かれた文字の右にある下向き三角形です。この三角形が付いている項目は、さらに奥へ入ることができますので積極的に開いてみてください。いろいろなところに数多く配置されています。

 後は白の『ノット』と呼ばれる三角矢印を左右に動かすと(緑枠の中)、リアルタイムにアルファの効果がオブジェクトに反映されます。
 エディタビューにある立方体は、グラデーションの白塗り範囲を動かすと、それに合わせて各面が同期して黄色の領域が動き、球体はぐるりを一周していきます。写真ではグラデーションの『タイプ』が横になっていますが、これを縦にしますと、塗り領域が上下に変化します。


 また、次のようにグラデーションの変化を複数にすると帯を作ることもできます。


グラデーション設定の黒い部分が透明になるので下地のタグ、赤色が出ています。白の部分は不透明になり自分自身の黄色が反映されているのが解ります。

 今回は帯ではなく『PE2』というロゴですので、グラデーションは使用しません。代わりにアルファチャンネルのテクスチャに『PE2』のpngデータを読み込みます。もちろん文字以外の部分は透明にする必要があります。
 そして文字色はカラーチャンネルで、黒を指定します。

 アルファチャンネルに画像を使う場合、他にも注意があります。『マテリアルエディタのアルファチャンネルがいまいち意味不明』もあわせてご覧ください。



 できたらオレンジ帯のオブジェクトに適用させます。先に記載しましたが、文字色とベースのオレンジとなる 2個のマテリアルがこのオブジェクトには貼りついています。もちろん下地のオレンジマテリアルを先に貼り付けてから、アルファチャンネルに pngデータを使ったマテリアルを貼ります。
 そのままだと大きく横方向に引っ張られてひどい有様になりますので、投影法を替えます。


OM上のロゴが入ったアテリアルタグをクリックしますと、『属性マネージャ』が『タグ』に切り替わります。変化しないときはときは、属性マネージャの【モード】→【タグ】で出ます。
 出ましたらさらに『タグ』ボタンを押して『投影法』を『平行』にします。

 すると『PE2』というロゴがそのまま歪みなく反映されますが、表示位置がかなりズレていますので『オフセット U』『オフセット V』を調整して移動。完了です。

 投影法の【平行】は重宝するのですが、いろいろと注意があります。次の項目もご覧ください。
投影法の【平行】を使って、正確にテクスチャを配置させたい』あるいは、
どうしてもテクスチャが出てこない(表示されない)』をご覧ください。
 マテリアルの回転移動は『テクスチャモードの操作方法』もご覧ください。





ボディに目と飾りつけをするだけでだいぶ雰囲気が出てきますが、まだ腕や手があります。それに地面に向かったパトライトみたいな物体、勝手に移動用アクチュエーターと名前を付けましたが、ここは半透明のピンク色したガラス製にしたいです。あとオレンジの帯に並んだ緑色のアレイ状の物体。これなんかどうすんの、状態です。


腕の縞模様はデコボコ感を出したいし、よく見たら、このロボットくんは背面にメンテナンス用の開閉フタまであるんすね。

「あ~。まだまだ先は長いぞ……」

 次回は完成までを掲載します。





【13】マテリアルと投影法 その1 まだまだ続きます

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