【1】CINEMA 4D Liteを After Effects みたいに使いたい

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CINEMA 4D Lite(以降C4D Lと書きます)は MAXON社が作った総合 3Dアプリの廉価版で、After Effects(以降 AE)に組み込まれています。つまり AEを使う人ならだれでも、タダで、廉価版(規模縮小版)ですが本物の3Dアプリに手が出せるわけです。

 そんな CINEMA 4D Liteを After Effects みたいに使いたい。

 ムチャな願いです。

 乱暴な説明ですみませんが、フライパンと土鍋は同じ調理器具に分類されます。でも互いに異なる種類です。しかし使い方によっては同じ料理が作れそうです。なら C4D Lや AEも 3Dを扱うという意味では同じではないのでしょうか。
 え? 全く違うもの?
 たった今、よくご存じの方から特大の突っ込みをいただきました。

 ですね。理解していけばいくほどにその違いが歴然としてきました。しかしせっかく 高価な AEを使っているのですから、そのかたわらに付属してくる C4D L(現在は R21です)を使わない手はありません。


 ここからの経緯はワタシの話です。

 AEから C4D Lを立ち上げる方法はすごく簡単で、AEのレイヤーパネルを右クリック、『新規』→『MAXON CINEMA 4D ファイル』を押すだけ。初めての場合はサインインなどの手続きが始まります。詳細は本家のこちらをご覧ください。日本語化にする方法まで詳しく書かれています。

 そして――。
 立ち上がった C4D Lをひととおり触ってから、ワタシは静かに閉じてしまったのです。

 見た目は簡単そうな気配を感じるのです。AEと比べると妙に大きなアイコンが並んでいますし、広い作業ビューに、何やらタイムラインのようなものもあるし。何の説明が無くても立方体や球体がワンクリックで出現。なーんだ 3Dって簡単そうじゃん。てな感じだったのは最初の十数分。その後、何から手を出したらいいのか見当がつかなくなり挫折しました。これはワタシにとって大きな屈辱となったのです。これほど複雑怪奇なアプリが世の中にあるのかと、本気で思いました。


 ここで反省。
 C4D Lではいきなりすぎたので、道を誤ったのだろうと。なにしろ 3Dのことは何も解っておらず、AEに搭載されているクラッシック 3Dで立方体を作るのにも四苦八苦。そりゃあそうです。4面ビューの意味ですら理解していないからです。
 何でこんなややこしい画面を見なければいけないんだと、出てくるのは愚痴ばかり。そうここでワタシは大きな間違いをしていました。カスタムビューだけを見て、6枚の平面を立方体に組めるはずがありません。2時間ぐらい掛かって作り上げた立体は、隙間だらけでいびつな物体でした。

 これはちょっとまずいかも。3Dがこんなに難しいとは思ってもいなかった。
 これが本心です。

 だってサイコロ型を一個作るのに 2時間も掛かったんですよ。しかもサイコロの目はどうやって作るのかも解りません。そうなるとなんだかメラメラしてきました。

「やったろーやないけ!」

 奮起したワタシは、AEで楽々にこなせるようになれば、C4D Lにも手が出せるようになるのかもしれない気がして。もう一度初めからら3Dの理屈を勉強しました。


 そしてある日、この 4面ビューが 3Dを作るために欠かせないツールなんだと、やっと開眼したのです。

 そしてボチボチ手が出せるようになったのがこちら……。



【いたずらシャッフル】

AEに付属のクラシック 3Dでトランプのカードを組んで建物を作りました。昔ながらの子供の遊びをちょっとアレンジして映像化したものです。

 登場キャラを動かせばそれなりに 3Dになっていますが、結局は平面の組み合わせです。コンポジション設定の『3Dレンダラー」を『クラシック 3D」から『CINEMA 4D』にすれば、押し出し機能が使えるようになりますので、立方体は簡単に作ることができます。ちなみにこの『CINEMA 4D』モードは以前のレイトレースモードの代わりみたいです。C4D Lを起動するモードではありません。

 ところがこのレンダラーモードの重いこと。【いたずらシャッフル】のオープニングの墓場のシーンは押し出し機能を使って墓石や十字架を作りましたが、プレビューがとんでもなく重たくて動きませんでした。プレビューモードを『高速ドラフト』にして何とかしのぎましたが、大量のカードを扱う本編はクラシック3Dでこなしました。

 ここで限界を感じたのです。今回はトランプという平面を扱ったから何とかなりましたが、自由になんでも 3Dにするのに AEでは不可能だと。なにしろ円柱だとか球体などは作ることができませんでした。

 やっぱり本物の 3Dアプリが使えないことには先に進まない。そう強く感じたワタシは、廉価版ではありますが、もう一度、C4D Lをスタートさせました。

 すぐに 4面ビューを開き、AEではできなかった円柱や球体、扁平楕円(卵を押したようなカタチ)を組み合わせて、3Dオブジェクトを作りました。初めて手を出した時と比べて、配置が楽なうえに正確な場所に置くことができます。やはりAEで勉強してきたことは無駄ではなかったのです。

 気を良くしたワタシは、以前からやりたかった、クラシックではあるのですがメカニックな物。そうです。歯車が規則正しく時を刻んでいる時計の中をカメラを持って歩く、そんな世界を拵えてみたかったのです。

 ただの時計の内部ではつまらないから何かストリー立てた物を作ってみれば、と助言をいただき、あれやこれやと試行錯誤を繰り返すこと、約 4か月。その作品がこれです。


3D部分は C4D Lで、場面切り替えのトランジションやレンズフレアーやエンディングタイトル、効果音、BGMの編集はすべて AEでやっています。

 アニメーションを作るのに最低限必要な操作を理解し、その意味と方法をすべてメモしました。初めはオブジェクトの作り方から始まり、オブジェクトマネージャ(以降 OMと書きます)の構造とレイヤーの関係、ドープシートにあるタイムライン(以降 TM)とキーフレームの打ち方。はたまたマテリアルにある各チャンネルの操作などなどです。C4D Lは本物の 3DCADの縮小版で、基本的なツールはすべてそろっています。コストを最低限にしてこれはとてもいい教材になりました。

 そこで――。
 AEは理解していて 3Dの重要性もよく解ってんだけど敷居が高くて、という方に読んでいただけたらと思って掲載を始めました。


 次回より C4D Lが持つ妙なクセ。AE使いの人がとっつきにくい原因などをまとめたいと思います。

【1】C4D Lを AE みたいに使いたい お終いでございます

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