【1】CINEMA 4D Liteを After Effects みたいに使いたい

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CINEMA 4D Lite(以降C4d Lと書きます)は MAXON社が作った総合 3Dアプリの廉価版で、After Effects(以降 AE)に組み込まれています。つまり AEを使う人ならだれでも、タダで、廉価版(規模縮小版)ですが本物の3Dアプリに手が出せるわけです。

 そんな C4d Lを AEみたいに使いたい。

 ムチャな願いです。
 理解していけばいくほどにその違いが歴然としてきました。しかしせっかく 高価な AEを使っているのですから、そのかたわらに付属してくる C4D L(現在は R22です)を使わない手はありません。


 AEから C4D Lを立ち上げる方法はすごく簡単で、AEのレイヤーパネルを右クリック、『新規』→『MAXON CINEMA 4D ファイル』を押すだけですが、ここからはインストールせずに、MaxonJapanさんのサイトでインストールと日本語化ができますのでお試しください。
https://note.com/maxonjapan/n/n666b35eeb872Cinema
 AEからインストールすると不具合が出る模様です。もしインストールしてしまった方は、アンインストールしてから、上記のサイトをお尋ねください。詳しく書かれておりました。

 2021.4 現在インストールできなくなっておりました。もしかすると昔のように AEからインストールするのかもしれません。情報が交錯していまして誠に申し訳ありません。新たな情報が入りましたら、上書きさせていただきます。




 本物の 3Dアプリとはいったいどういうものなのか。立ち上がった C4D Lをひととおり触っていたのですが、半時ほどで静かに閉じてしまいました。

 見た目は簡単そうでした。AEとよく似たレイアウトです。広い作業ビューに、何やらタイムラインのようなものもあるし。何の説明が無くても立方体や球体がワンクリックで出現。AEよりはるかに簡単。こりゃすぐマスターできる、てな感じだったのは最初の十数分。その後、これで一体何ができるのだろう。このままだと積み木とそう変わらない。プロの人たちはどうやってこれで自由な物体を作っているのだろう。まったく想像もつかなくなって C4d Lを閉じました。

 またまたそびえたつ巨大な壁。3Dの呪縛です。
 これまでワタシはいろいろなアプリで3D映像を作ろうと挑戦してきました。Flashしかり、PaperVison3Dしかり、Shade3Dしかり……。しかしすべて途中で挫折。どうしても馴染めなかったのです。

 常に付きまとう この3Dの呪縛はなんだろうか。
 今回は真剣に考えないとまた同じことの繰り返し。もう一歩先に進めない理由は……。
 何がワタシの足を引っ張るのだろうか。今回ばかりは真剣でした。


 ふっとよぎったのは、常に 2D的な思考で見ており、3Dに関する基礎が無いくせに絵を描く感覚で捉えて作業を始めてしまい、やがて途中で行き詰る。早い話が 3Dをなめているのかもしれない、と考えました。

 今だからこそ、その当時のワタシに言ってやりたいです。
 3D画像は絵ではないのです。光と物体の物理シミュレーションです。ドロップシャドウを利用して描いた絵に立体感をイメージさせるのではなく、ほんとうに物体を床に置いて、それに光を当てて影を出します。そのためにはちゃんと基礎を勉強しないとだめ。修業を積んだ大工さんが、木を切ったり削ったりしてパーツを拵え、それを組み立てていくのと同じです。加工の仕方をマスターしていないとまともな家は完成しません。まずは加工のための基礎作業をしっかりやろうと奮起したのでした。

 しかしネットだけが頼りの先生で、後は独学オンリーです。もしかすると間違って学習している可能性がありますので、ここを読んでも鵜呑みにはしないでください。このサイトも日々修正していますのであらかじめご了承ください。


 3Dの基礎は使い慣れた AEで勉強しました。よく考えたら、AEの 3Dツールは C4d Lへの登竜門だと気づいたからです。本格 3Dへの道が目の前にちゃんとあったわけでした。

 AEの 3Dには『クラッシック3D』と『レイトレース』と呼ばれる二つのモードがありますが、レイトレースモードは動かないパソコンもありますし、この後本格的な C4d Lに突入するのですから、AEでは軽くサクサク動くクラッシック 3Dを基本としました。
 ちなみに、最近はレイトレースモードの代わりに『CINEMA 4D』モードができています。これは MAXON CINEMA 4Dの起動モードではありません。あくまでもレイトレースモードの代わり、のようです。


 それでは自分の経緯を説明させていただきます。
 基礎はもちろん X、Y、Z座標の動きに慣れることと、3D特有の回転軸の習性などもクセがすごいのですが、ワタシにとって最初の壁は 4面ビューでした。

 AEを『クラッシック 3D』モードにせずに『CINEMA 4D』モードにすると平面を押し出して、4面ビューを使わなくても簡単に立方体が作れます。しかしこれでは この先にやってくる C4d L移行のための基礎学習になりません。ワタシが思うに 3D作業は 4面ビューを使いこなせることが重要です。なにしろそれを無視して初めて作った立方体は、隙間だらけでいびつな物体でした。

 それはなぜか……。
 押し出しを使わずに立方体を作るには、6枚の平面を組み立てることになります。まず 6枚の正方形平面を作って、サイコロ型になるように回転、移動を繰り返して組んでいくのですが、2時間の悪戦苦闘の末、大失敗で終わりました。

 4面ビュー……。

 何でこんなややこしい画面を見なければいけないんだと、出てくるのは愚痴ばかり。しかしやっているうちに気づきました。例えばフロントビュー(真正面)に映る映像は、作業を真正面からとらえた 2Dカメラの映像です。3Dではなく 2Dなのです。縦=Y軸、と横=X軸のみの情報です。奥行きは無視です。でも上下左右の位置関係は寸分の誤差もないほど正確なのです。つまり二つの点が少しのぶれも無くピッタリ重なっていれば、その点と点の距離(奥行き)は分からないけどカメラの面に対して垂線になっているということです。これをサイコロ型に置き換えると、真正面から見たサイコロは正方形としか映らないはずです。

 それでは奥行きはどうするのか。

 それを見せてくれるのが、トップビュー(真上)です。これは X軸と Z軸だけの映像で、高さ(Y軸)はわかりませんが、奥行きがはっきりと見えます。最低限、このフロントビューとトップビューだけあれば立体物は作れますが、場合によっては Y軸 Z軸だけを見せるライトビューも必要になるかもしれません。そして全体の俯瞰映像としてあるのが 4面目のアクティブビューです。

 この仕組みに気づいたときは目からウロコでした。こんな便利なものがあるんだったら 早く言ってよー 。てな気分でした。



 4面ビューの意味を理解しただけなのですが、大いに奮起したワタシは、AEでいろいろと試行錯誤を繰り返した結果、こんなものを作りました。
(AEでのノウハウは省略させていただきました。そちらはまたいつかどこかで……)



【いたずらシャッフル】

クラシック 3Dでトランプのカードを組んで建物を作りました。昔ながらの子供の遊びをちょっとアレンジして映像化したものです。

 登場キャラを動かせばそれなりに 3Dになっていますが、結局は平面の組み合わせです。『3Dレンダラー」を『CINEMA 4D』にすれば、押し出し機能が使えますので、先のも書きましたが、立方体は簡単に作ることができます。ところがこのレンダラーモードの重いこと。【いたずらシャッフル】のオープニングの墓場のシーンは押し出し機能を使って墓石や十字架を作りましたが、プレビューがとんでもなく重たくて動きませんでした。プレビューモードを『高速ドラフト』にして何とかしのぎましたが、大量のカードを扱う本編はクラシック3Dでこなしました。

 今回はトランプという平面を扱ったので何とかなりましたが、自由に 3Dを扱うには AEでは不可能だと感じました。なにしろ円柱だとか球体などは 作ることができません。やっぱり本物の 3Dアプリが使えないことには先に進まない。そう強く感じたワタシは、ここで C4D Lに移行したのです。


 すぐに 4面ビューを開き、AEではできなかった円柱や球体、扁平楕円(卵を押したようなカタチ)を組み合わせて、3Dオブジェクトを作りました。初めて C4d Lに手を出した時と比べて、配置が楽なうえに正確な場所に置くことができます。やはり AEで勉強してきたことは無駄ではなかったのです。

 気を良くしたワタシは、以前からやりたかった、クラシックではあるのですがメカニックな物。そうです。歯車が規則正しく時を刻んでいる時計の中をカメラを持って歩く、そんな世界を拵えてみたかったのです。

 ただの時計の内部ではつまらないから何かストリー立てた物を作ってみれば、と助言をいただき、あれやこれやと試行錯誤を繰り返すこと、約 4か月。その作品がこれです。


3D部分は C4D Lで、場面切り替えのトランジションやレンズフレアーやエンディングタイトル、効果音、BGMの編集はすべて AEでやっています。

 アニメーションを作るのに最低限必要な操作を理解し、その意味と方法をすべてメモしました。初めはオブジェクトの作り方から始まり、オブジェクトマネージャ(以降 OMと書きます)の構造とレイヤーの関係、ドープシートにあるタイムライン(以降 TM)とキーフレームの打ち方。はたまたマテリアルにある各チャンネルの操作などなどです。C4D Lは本物の 3DCADの縮小版で、基本的なツールはすべてそろっています。コストを最低限にしてこれはとてもいい教材になりました。

 そこで――。
 AEは理解していて 3Dの重要性もよく解ってんだけど敷居が高くて、という方に読んでいただけたらと思って掲載を始めました。

 とくに――。
 自分がどうしても理解できなかったことを我流の説明ですが、できる限り解りやすく行う予定ですので、少々くどく長くなります。必要ない部分は適当に読み飛ばしてください


 それでは次回より C4D Lが持つ妙なクセ。AE使いの人がとっつきにくい原因などをまとめたいと思います。

【1】C4D Lを AE みたいに使いたい お終いでございます

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