リアルな提灯を作ろう(屋根編)

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略語は以下のとおりです。


『リアルな提灯を作ろう』の続きです。説明が残っていた屋根を作ります。
 少し凝った造りの店先で時々見かけるのが屋根付きの提灯です。店舗からの出し入れに苦労されるかもしれませんが、見栄えは数段上がる気がします。

 そんな提灯をぶら下げる屋根付きのスタンドを再現してみました。
 といっても難しいことは何もありません。プラモデルの組み立てに近いものを感じます。


時間の掛かりそうなところといえば、木目ぐらいではないでしょうか。あとは屋根を構成している板や木材ぐらいです。

 木目の作り方は【木材を作る】を参考にしてください。今回は同じ方法で次の2枚を作りました。


木目のしっかり出ているほうを屋根に、下の柔らかそうな木目をスタンドの柱に使用しました。


屋根と……。


自立させるスタンドと足の写真です。



 各パーツの組み立て具合は動画を一時停止して見てもらえば一目瞭然だと思いますので、こちらを参考になさってください。








 それでは少し手が入っている部分だけを説明します。
 屋根の正面に取り付けられた『金飾り』と、その屋根形に切られた平板の凹みは少々手間がかかっています。



金の飾りはスプラインオブジェクトの『花形』をジェネレーターの押し出しで厚みを作って、マテリアルは提灯の金留め具の金色より暗めにしたものを使いました。

 屋根型の平板(OMでは『正面シェイプ』となっています)とその凹み部分(OMでは『抜き』)は、ともにスプラインパスで形を作って、同じく押し出しで厚みを作ったあと、平板と凹み部分を少し重ねてからブールを掛けて凹み部分を消しています。写真ではそのブールをオフにして凹み部分も見えるようにしていますので、厚みや形をご覧ください。


凹み部分を平板に半分ほど重ねた状態が上の写真です。




そしてブールを掛けます

 ブールの属性マネージャにある【ブールタイプ】を『AからBを引く』にしています。
 この場合の『A』というのは、ブールオブジェクトのすぐ直下の『正面シェイプ』Objを指します。つぎの『抜き』という名の Objが凹み部分で『B』となります。つまり、平板から凹み部分を引いたのが現在の写真のようになるのが、ブールオブジェクトの処理です。AEで言えばマスク処理とほぼ同じですので、凹み部分が消えて、平板に切り取ったような段差がつきます。

 ブールに関して詳しくは【ブールとか 抜き型ってなんだろ?】をご覧ください。

 長い説明で失礼しました。これで提灯の作成工程は終了です。

 ところで……。
 写真の中で OMに並ぶ Objの階層表示が通常より少し違って見えている場合があります。これは、そのまま表示させますとリスト内がとても煩雑になり、理解の妨げになりますので、説明に不要な Objを強制的に見えなくしているためです。もし混乱された方がおられましたらお詫び申し上げます。



【3年間を振り返って】


 初めて 3Dが重要であると気づいたのは、Flash MXを使っていたときでした。2002年のころです。それ以来、何度も挑戦するのですが、すべて挫折で終わっています。なぜこんなにわずらわしいことをしなければ立体映像が作れないのか、2D映像のやさしさと比べて苛立ちさえも覚えていました。でもいつのころかその苛立ちの原因が 3Dに関する知識があまりに薄っぺらだったことに気づき、これは一朝一夕ではなしえるものではないと悟ったのかもしれません。急激に弛緩してかつ強く思いました。今度で最後にする、と。
 それなら何から手を出すか。よく見ると、とてもいい教材が手元にあったのです。AEや C4d Lですね。おかげでふと頭が軽くなったのを覚えています。時間はかかってもコツコツやっていこうと思い立ったのが 3年前でした。

 まどろっこしい 4面ビューが最も重要だと気づかされ、回転の呪縛では、回転ツールを使ったときと、回転軸の数値を変えて回転させたときとでは結果が異なるということに気づき、回転するアニメーションに起きるジンバルロック現象を理解したあたりから急激に目の前が開けた気がします。
 よく意味の分からなかったマテリアルやテクスチャ、そして投影法。このときも、なんでこんな方法でしかマテリアルを表面に貼れないんだろうと感じたのを覚えています。しかし投影法の『平行』の使い方をマスターできたときには、ほかの投影法の意味も理解していました。一つが解けると次々とパズルが解けていく気分で爽快です。

 次は正規版の C4dにグレードアップです。さらなるスキルアップを誓って、この世界が尽きるまで歩き続けたいと思います。





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