【14】マテリアルと投影法 その2

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 カラーチャンネルとアルファチャンネルを使って色とロゴ(pngデータ)を重ねる方法は何とか理解できましたが、その中でひとつの疑問が残りました。
 もう一度この写真を見てください。


グラデーションの白塗りの範囲を動かすと(③の白い三角)、球体は周囲をひと塗りされていくのに、立方体は 6面に分かれて塗り幅が変化します。これはなぜ?
 その疑問を発生させた大もとの原因は、ネットで紹介されていた説明を誤解して覚えていたせいだと思います。

 その説明とは投影法のことです。
 製作したマテリアルをオブジェクトにどのような方法で描画するかを指定する処理のことですが、 ここもまたややこしい のです。

 そのややこしいのを文章だけで理解するのは、かなりムリがありまして、例えば、投影法の中にある『球』の場合、『マテリアルを球体に包むようにする』と説明されると思います。いろいろな形状のオブジェクトで試してみましたら、確かにその通りの結果になりますが、だからなんだ? となるのです。貼り付けたテクスチャ画像は想定以上に歪んでしまい、ちっとも思う通りの結果にならないからです。

 そこで考えました。
 理解しずらいのは、指定の投影法でマテリアルを貼ってもその結果しか見られないからで、各投影法がどのような法則性をもっているのか伝わってこないからです。そこで、動きのある方法で実験することにしました。
 マテリアルの貼り付けを動きのある方法で見る……。
 どうするのか……。

 前回のアルファチャンネルを利用します。白塗りの範囲を増減するとその結果がマテリアルにリアルタイムに表れることを利用して、その変化をキーフレームアニメーションとして記録しました。ただし、これだけではテクスチャがどう貼られるのかまでは見られませんので、pngデータもテクスチャ画像として実際に貼ってみました。それに 合わせてアルファ処理の領域がどう変化するのか をこの目で見れば、投影法の処理の行方が少しでも理解できるのではないかと思いました。

 まず、使用しているテクスチャの png画像はすべて同じものです。それを球体、円柱、立方体に貼り、各オブジェクトも 3つのサイズを並べてから、カメラを動かして異なる角度から見ています。


 今回の実験では、映像から受ける情報量が多いので注目すべき点を先に述べておきます。その部分を重点的に観察してください。いろいろなことが解ります。

 その1:グラデーションの動きは初めは横向き。次に縦に切り替わります。この時の塗り領域を反転したことも考慮してください。反転、すなわちそれは下に隠されたマテリアルが映る部分となります。

 その2:オブジェクトの形状によって、マテリアルがどう貼られるか。(ネットの説明通りです)

 その3:同じオブジェクトでもそれ自身のサイズによってマテリアルの貼られる領域が異なるところ。

 その4:テクスチャ画像のどの領域が各オブジェクトの、どの面にどのように貼られていくかを、オブジェクトの形状や投影法によって異なる様を観察してください。

 その5:テクスチャ画像センターの青い楕円形は、あえて縦:横= 2:1の比率にした楕円にしています。 なぜあえて楕円 なのか。



 最初は投影法の『球体』です。


【球 体】


『球』というだけあって球体に特化しているのが見て取れます。テクスチャも球状に歪んでいます。
 ところがテクスチャ画像のセンターの楕円がその歪みによって、ちょうどいい円形になっています。これは重要な事です。


 続いて『円柱』です。


【円 柱】

テクスチャ画像が円柱に貼られるように処理されるのが解ります。球体であろうが立方体であろう横から巻き付けるように貼られています。
 どういうわけか、センターの楕円がおかしな具合に歪みますし、球体には面が 1つしかないのですが、それがあるかのように貼られています。


 次は『平行』です。


【平 行】

オブジェクトの形状により色々ですが、正面からそのまま平行にと表現するのが最適なのか、なんとも伝えにくいです。とにかく映像を見て理解してください。これが『平行』です。
 よく見ると、立方体の真ん中に位置するサイズの物だけが前面と背面だけに、テクスチャ画像がドンピシャリとハマっています。これについては後序します。


 今度は『立方体』です。


【立方体】

立方体の各面に同じテクスチャが貼られています。グラデーションの動きも同じで、球体であってしても四角く塗られていくのが見て取れます。


『正面』です。


【正 面】

何んと表現していいのか。どういうシチュエーションでこの貼り付け方を使用すればいいのか、一瞬、プロジェクションマッピングを想像しました。


 これが一般的な『UVW マップ』です。


【UVW マップ】

球体は球体に合わせて、円柱は円柱、立方体も立方体に合わせて貼られていますし、どのサイズでも完全フィットしています。

 にしても……。
 どれを見ても変わり映えしない気がします。
「まあ、UVW マップが無難か」とネットで囁かれる場所に落ち着くのですが、共通して言えることは、

「ぜんぜん自由にならん!」

 ここまでして痛感したことは、オブジェクトの形状によって投影法を選んでもテクスチャは大きく歪められるということで、歪められた状態で正しく映るようにあらかじめ画像を歪めて作っておかなければいけないという事実です。今回のような平面的なテクスチャ画像がそのまま使えるのは、いいとこ立方体か円柱どまりだと認識できました。そのためのツールが BodyPaint 3Dだそうですが、 ここでは時期尚早 です。

 話を戻します。
 もう一つ気づいたことは、テクスチャに利用する画像のサイズを変化させても、画質の変化は多少あるかもしれませんが、たいして影響が出ません。それよりも、『UVW マップ』は除外しますが、オブジェクトのサイズで大きく変わります。

 理由はこの後で解るのですが、この時点では、オブジェクト追加ボタンで最初にエディタビューに現れるデフォルトサイズ、立方体なら 200cm×200cm×200cm。このサイズでテクスチャを貼るとジャストの大きさで画像が貼らています。それよりも小さなオブジェクトに貼るとはみ出ます。もう一度『平行』時の映像を動かして、立方体に注目してください。真ん中のオブジェクトがデフォルトサイズです。ちょうどいい位置になっているのが見えています。


 それ以外のサイズではどうすればいいのか?

 最初に見つけた方法。
 属性マネージャを【タグ】にして、『タグ』ボタンを押して、『サイズ U』と『サイズ V』で大きさを、『オフセット U』『オフセット V』で位置を調整しました。
 ですが……。

「にしても……なんかやりにくいな」
 そうなんです。新たな疑問の発生です。

 マテリアルのサイズと位置合わせをこのパラメターの調整だけでこなすには、あまりにも簡易的ではないだろうか?
 3D作業の中でも重要度の高いマテリアルの貼り付けです。もっと細かい調整ができないはずがないのです。


 ツールボタンやマテリアルタグを右クリックして、しばらくあちこちを探ります。
「ぜったいに、なにかある……」
 見つけました。この疑惑はビンゴでした。『UVW マップ』では変化が無いので、気づくのが遅れたのです。

「な~んや、テクスチャも動かせるんかい!」


【テクスチャモードの操作方法】

最初に①のボタンをクリックして、テクスチャモードに切り替えます。
 続いて貼られる位置を動かしたいテクスチャタグを選択。②です。
 すると、③です。いつもの 3D軸が出ます。④を押して座標を出してから3D軸を動かすと、座標の数値も変化してそれに同期してテクスチャの位置も動きます。もちろん投影法に沿った動きしかできませんので、平面のテクスチャ画像が自由自在になるわけではないですが、どこ向いてんだかわからない、オフセットを調整するよりかは楽です。

 疑問は連鎖して解けていきます。
 なぜオブジェクトのデフォルトサイズでテクスチャ画像がピッタリなのかも理解できました。
 オブジェクトのサイズを変更してもテクスチャ画像のサイズが変化しないからです。テクスチャモードの状態で、④の座標から『S.X』『S.Y』『S.Z』を調整してテクスチャ画像のサイズも変更できますし、もちろんキーフレームアニメーションもできました。



注意することは、『UVW マップ』では動きません。たぶん常にフィットが UVW マップの掟だからではないかと考えています。


 実はまだ疑問があります。
「まだあるんかい!」

 はい。ガイド無しの独学の身ですから、湧き出た疑問は自力で何とかしなければいけないので、なかなかすべてを払拭できません。

 テクスチャでの疑問はあらかた解けたのですが、ずっと抱いていたものがあります。オブジェクトの任意の面だけにテクスチャ画像を貼るにはどうするのか、です。

 オブジェクトの形状により、持っている面はそれぞれで、球体は 1面、円錐は 2面、円柱は 3面、三角錐は 4面、立方体は 6面それぞれに同じテクスチャ画像が貼られてしまいます。貼られてほしくない面まで貼られてしまいます。例えばサイコロを作るにしても 6面に異なるテクスチャ画像を貼る方法が解らないと作れないわけでして。現時点での手段としては AE(After Effects)でサイコロを作った時と同じように、平面を 6枚作って、立方体に組むしか方法は思い浮かばないのです。

 しかしここは Cinema 4Dですよ。
 なにかあるでしょ。いいから出して……です。



 いくら待っても、誰も出してくれませんので、またまた何とかしなければいけません。
 今解っている範囲でできる回答は二つ。

 一つはアルファチャンネルで利用しているグラデーションの向きを縦にしたり、横にしたりして、白の塗り領域を上手く調整すると、下地のテクスチャが現れる領域があります。先の映像を詳しく観察してみてください。この方法で、できないこともなさそうですが、サイコロみたいなのは無理っぽいです。

 もう一つは、作ったオブジェクトをポイントに分解して編集可能状態にして、指定ポリゴンに貼り付ける方法です。これはネットで見つけました。


【指定ポリゴンだけ】

この方法は任意のポリゴンだけに指定のテクスチャを貼る方法で、覚えておいて損はないと思います。


 まず指定する面を選択するために、オブジェクトを編集可能状態にします。


写真の①をクリックして、編集可能状態にします。
 すると ②、OMのタグ一覧に『チェッカーフラッグ』みたいなタグが追加されます。

 続いて③のポリゴン(面)モードにして、貼り付けたい面を選択。写真では面分割を 1面のままにしていますので、上下左右と手前と奥の面の 6面ですが、分割をもっと細かくすると、例えば動画の【指定ポリゴンだけ】の場合は x、y、z面を 2分割ずつして、1面につき 4分割された右上と左下の面だけを選択しています。

 選択後、⑤のウィンドウメニューの【選択】を押して、『選択範囲を記録』を押します。


押すと、⑥の位置に『ポリゴン選択範囲タグ』が追加されますのでそれをクリック。
 すると属性マネージャが写真のように切り替わります。
 続けて ⑦の『名前』欄のテキストをコピーします。

 コピーしたら、これまでと同じ要領でマテリアルをドラッグアンドドロップして貼り付けます。
 ⑧の状態です。


再び属性マネージャが写真のように切り替わりますので、先ほどコピーした名前のテキストを、⑨の『選択範囲に限定』欄へペーストすると、指定面にだけテクスチャが貼られました。
 意外と簡単にできました。これならサイコロの目を画像で作って、6面に貼ればできますね。AEでやった時よりもキレイなサイコロができそうです。


 ここまでくるとそこそこ自由になってきて PE2のロボットもひとまず終盤に近づきました。


【 PE2 】


残すところ、あとは腕の縞模様に欲しいデコボコ感をどうやって出すのか、に尽きます。




 次回はバンプです。
 そして湾曲と続きます。

 それらを使って、キャラクターアニメーションの舞台となる未来都市に必要な、たくさんのストラクチャを作っていきます。




【14】マテリアルと投影法 その2  さらに続きます

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