お品書き
- ・ 初めてのCINEMA 4D Lite
- ・ 複雑怪奇なマネージャ構成
- ・ 混乱するショートカット
- ・ クセがすごいぞ C4D L
- ・ ライトと影と反射物
- ・ カメラ
- ・ AEとの連携
- ・ ヌルはヌルなのに。レイヤーはなぜ?
- ・ 回転は迷宮への路 その1
- ・ 回転は迷宮への路 その2
- ・ 回転は迷宮への路 完結
- ・ マテリアルと投影法 その1
- ・ マテリアルと投影法 その2
- ・ マテリアルと投影法 完結
- ・ 様々な物体を作る
- ・ 太陽系を作る
- ・ ブタさんを作る
- ・ モーグラフを使う
- ・ PCBを作る
- ・ デフォーマを使う(波打つ廊下)
- ・ 枯れ葉よ~
- ・ ペーパーアニメーションを考える
- ・ アナモルフィック
- ・ 平行投影
- ・ 球体鏡の内部へ
- ・ もしも鏡がうねったら
- ・ ファンタジーな世界を作ろう1
- ・ ファンタジー(2) カメラワーク
- ・ カメラを滑らかに走らせる
- ・ トラブルコレクション
- ・ Cinema 4D Lite FAQ
- ・ My Portfolio
カメラ
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AEで3Dをやったことのある人なら、カメラは何度も使っていると思います。C4D Lのカメラもほぼ同じもので、ほんの少し操作の方法が異なるだけです。ただし設定がものすごく複雑で細かいのは仕方がありません。でも何も心配はいりません。触らなければいいのです。
ワタシが使うのはいつも標準レンズの 50mmです。一番上のツールアイコンからライトの左にあるカメラをクリック。設定は属性マネージャのここです。
触るのはこの二つぐらいで、後はなんだか 解っていません 。いつもデフォルトのままで済ませています。またどこかで勉強してきたら触ることにします。
それよりいよいよ カメラの登場 です。ということはこの後、AEへ送って編集、そしてエンコードへと向かいます。
AEとの連携は次回にするとして、今からカメラワークをするうえで大切な選択を します。
カメラワークは AEとそんなに変わりません。カメラもオブジェクトとしてキーフレームを打って動かしてやれば、カメラが捉えた映像が作品となっていくのです。問題はどう動かすのかです。
本気のカメラワークはプロのサイトさんに任せるとして、ここでは AEと比較して説明します。
AEでは 1ノードカメラと 2ノードカメラがありました。三脚に取り付けたカメラでいうと、1ノードは首の振らない三脚。2ノードは首が回転する三脚に取り付けたカメラだと思えば簡単にイメージできます。
1ノードカメラは位置座標と回転座標だけを動かして被写体を追いかけます。2ノードカメラはそれらに加えて、目標点と呼ばれるカメラレンズを向ける位置座標も一緒にコントロールします。
C4D Lでは普通のカメラが 1ノードカメラで、ターゲットカメラと呼ばれるのが 2ノードカメラによく似ています。AEの2ノードカメラでいうところの目標点となるものを C4dではヌルオブジェクトにしてそのオブジェクトにカメラが常に向くようにターゲットとして設定して、それをコントロールします。
もっと簡単にいうと、AEは目標点を動かしてカメラの向きを変えます。C4dはターゲットとして設置されたヌルオブジェクトを動かして、常にカメラがそちらに向くようにします。
C4D Lではこの 二つしか 使えません。
では実際の作業風景を見てもらったほうが、文章で説明するよりもイメージしやすいと思いますので、この二つを並べてみました。
どちらを見ても何も変わりません。この二つはカメラの移動方法に違いがあるだけですので、静止画で見た限りでは何にも変わりません。でも一つだけ異なります。ターゲットカメラを選ぶと、カメラターゲットと呼ばれるオブジェクトが OMに追加されるところです。
二枚目の写真、エディタビューを見てください。ピンク枠で囲った絵がカメラの位置と向きを表し、白い丸枠で囲った小さな点がカメラのターゲットになるオブジェクトです。カメラをどこに移動させてもターゲットにレンズが自動的に向きます。
ここで注目してもらいたいのは、いつものエディタビュー以外に、緑枠で囲いましたが、もう一つ新しいビューが出ていることです。この中の映像は設置したカメラが捉えた映像です。ワタシはカメラワークをするときは、このビューを見ながらエディタビューのカメラオブジェクトを動かして、カメラアングルを決めています。エディタビューはあちこちに向きを動かしますが、カメラビューは決して触りません。見るだけです。
このビューの出し方は、メインのウインドウメニューの【ウインドウ】→【新規ビューパネル】で出します。
出てきたら適当な大きさに広げて、エディタビューの中のカメラオブジェクトを動かしてみてください。新規ビューの中の映像が同じように動けば、カメラに同期しています。もし動かないときは、新規ビューのウインドウメニュー、【カメラ】→【使用カメラ】→【カメラ1】を選択します。【カメラ1】は OMにあるカメラの名前と同じものです。
1ノードカメラでも 2ノードカメラでもやることは同じ、 被写体をレンズに収めるだけ のことです。ただ、2ノードカメラは被写体を軸にしてカメラ自身が回転する『スピンショット』とか『旋回撮り』とか呼ばれる、特殊な絵が比較的簡単に撮れる……ただそれだけ。1ノードでもカメラの回転座標をコントロールすれば同じことができます。
ということで、どちらもカメラに違いはありません。ここをワタシが書いてしまうのは恐ろしいのですが、いい絵を撮るのに必要なのは、いいカメラではなくて、 研ぎ澄まされたセンス です。これまでに一度もセンスがいいと言われたコトが無い者が、よくもそれを文字にしたなと、突っ込まれそうなので、改めて書き直します。
ようは使い方次第です。ケースバイケース。はい。それだけ。
例えばこの動画を見てください。
さてどちらが普通のカメラで、どちらがターゲットカメラで撮ったモノでしょう?
安定して見えるのがターゲットカメラなのですが、寄りと引きがアンバランスでも意外と見れるものですね。ワタシがいうのもなんですが。
凝ったカメラワークをするのなら、スプラインに沿って動かす方法があります。カメラの座標をスプラインに沿わすとか、カメラターゲットの位置を沿わす。いろいろな方法が考えられます。
カメラを直線的に動かして撮影するなら、キーフレーム操作だけで十分できます。しかし効果を狙ったスピンショットやトルネードロートゥハイとか、アニメの戦闘シーン風なのはスプライン(自由曲線)を利用しないと不可能に近いです。
簡単で効果的な方法を一つ。
被写体の中心にヌルを置き、それから被写体を正面から映すカメラを置いてから、ヌルの子階層にカメラを入れます。後は親ヌルのほうを R.H回転させますと、被写体の周りをカメラが巡ってくれていい具合の絵が撮れます。
【ステージ】について
続いてカメラの切り替え、すなわちシーンの切り替えです。
アニメーションも凝ってくるとシーン別にカメラを切り替えてトランジションでつなぎ合わせたくなります。C4D Lで クロスフェード なんてできるのか、現時点ではまったくの不明です。でもここらは無理しなくても AEでいつものようにやればいいことで、シーンごとに C4D Lファイルを拵えて、AEで編集すれば済むのですが、せめてカメラの切り替えぐらいはやらないと、C4D Lのファイルが細切れになってしまって管理が大変です。
AEでシーンを切り替えるときは、プリコンポしたシーン別のコンポジションをタイムラインで切り替えるだけで済ませていますが、C4D Lでは『ステージ』と呼ばれるオブジェクトで切り替えます。
そこで手っ取り早い方法は、1ノードカメラだけを使って、二つのアングルをフレーム間ゼロで済ます方法です。ようするにある角度にカメラの向きを記録した最終キーフレームの次のフレームに、別アングルにしたカメラのキーフレームを打つのです。時間的に 1フレームで切り替わるので、今のところは問題が出ていません。これがいいのか悪いのかも不明ですが、『壊れた時計』はそうやってシーンの切り替えをやりました。
正式な方法でカメラを切り替えるのなら、『ステージ』オブジェクトを使います。次の動画は『ステージ』オブジェクトで 3つのカメラを切り替えた映像です。
約10秒の動画にカメラ 3台を使って 切り替えてみました。ターゲットカメラは使ってません。全部 1ノードです。
始める前に――。
ビューとカメラの関係を理解しないと、ここから先、AEとの連携にまで響いてきます。ワタシも、初めのころはビューとカメラの関係が解らなくて、あちこち触っては首を捻っていました。カメラからみた絵はどこで見るのだろうかとか、AEならアクティブビューがそれなんですが、C4D Lは不明でした。それと AEへ転送する映像はどれになるのか? とかです。
どこかを触っているうちにカメラの映像が出たり、AEに全体の一部しか転送されなかったり、何もしていないのにビューのカメラ設定が変化したり、意味不明なうえにネットでも説明が無くて苦労しました。これが独学の悲しさですね。
そこで同じ道を歩んでおられる方のために、ここで先にまとめておきます。『ステージ』オブジェクトの説明はその後までお待ちください。
まずこの写真をご覧ください。
二つ目のビューの出し方は先に述べたとおりです。左側が作業用のエディタビューで、右側のビューは各カメラの映像が出るようにセッティングしてあります。もちろん 3つのカメラを切り替えるのは『ステージ』オブジェクトになります。
そのことを頭に入れてから、下の写真をご覧ください。
これは二つのビューにあるウインドウメニューの内、【ビュー】と【カメラ】を二つ同時に開いたものです。普通はこのようなことはできませんので、それぞれ交互に開いて確認しなければいけません。この面倒くささが理解の遅れになるような気がします。
こうやって比較すれば一目瞭然になります。左がエディタビュー、ようするに作業画面です。なので当然レンダリングされないように、下のオレンジ枠、『このビューをレンダリング』をオフにしてあります。
続いてウインドウメニューの【カメラ】は『デフォルトカメラ』がオンにってなっています。だからこのビューはエディタビューなのです。
次に写真の右隣りのパネル。同じ場所に注目してください。『このビューをレンダリング』がオンに。『デフォルトカメラ』はオフなので、上の【使用カメラ】の項目を開くと『カメラ 2』にチェックが入ってます。このような理由で、右のビューにはカメラ 2の映像が出ているわけです。
そしてこれが重要。
この『ビューをレンダリング』がオンになっているビューの内容が正式にレンダリングされて、AEや画像ビューワーという特別なウインドウへ送られます。画像ビューワーについては、画像ビューワーへレンダリングをお読みください。
カメラは1~3まであるということは、あと二つビューを出してそれぞれのカメラの映像を確認できることになりますが、今回はステージの説明ですので省略しました。
ではステージの説明です。まず下の写真をご覧ください。
タイムラインにある『ステージ』のトラックに打たれたキーフレーム。
ステージの属性マネージャにある【カメラ】入力フィールドに出た『カメラ 2』という文字。それからその左にあるキーフレームボタンが赤く色づいているところ。
繋がりましたでしょうか?
ステージの属性マネージャにあるカメラの入力欄はキーフレームが打てるのです。右のOMからオブジェクトをドラッグアンドドロップすれば入力できます。そのあとキーフレームを打てば、タイムラインのトラックにカメラオブジェクトが切り替わったことが記録されます。キーフレームを打つボタンが赤いのはタイムラインの再生ヘッドがキーフレームの真上にあるからです。
また、このビューは『このビューをレンダリング』をオンにしていますので、ステージが行う仕事の結果が映し出されます。それがステージオブジェクトの役割です。ですので、このビューの【カメラ】→【使用カメラ】のチェック項目はキーフレームに同期して変化していきます。そのような理由で、カメラの設定をし直しても勝手に切り替わっていたのです。つまり、ステージオブジェクトを使用した瞬間、『このビューをレンダリング』がオンのビューは、ステージの制御下に置かれるわけです。そう、抵抗は無意味なのでした。
と、まあ。理解してしまえばどーってこない理屈でした。
次回は C4D Lと AEの連携です。ここでもひと悶着ありますので、お楽しみに。